2020-036
サクラマス 9/26 石狩川上流近文大橋より下流側
”ホッチャレ”って何でしょう。
私はこの日、ポツリとメスのサクラマスが瀬にいるのを発見したのです。
彼女の姿を見ると、尾ビレも、お腹も、背中もボロボロ。彼女の目の周りはもう青い。
そんな彼女の口を見るとまだ「パクパク…」と動いていました。つまりこのサケは”ホッチャレ”ではない、非常に珍しい状態なのです。ではこのサケはなぜまだ生きている状態で私の前に会いに来てくれたのでしょうか?
サケの生態は「自分を見ることもない子供」のために死ぬまで、自分の身が果てようとも守り続ける。彼女もその中の「1人の親」だったのでしょう。
だからこそ、彼女は数時間前にその「意思」が志半ばに終わったのです。しかしそれはもしかしたら彼女の「愛」が子を包み込んだからこそ彼女は自分から子から離れたのかもしれません。
私達は「私のサケ」を見つけてみてはどうでしょう。アイヌ・日本文化でもない、何かを依り代とするのではなく、「自分自身が対話してこそ」サケのサケが見えるのではないでしょうか。